矢崎の相談
時間は夜
9:30
みのる、ゆうき、鈴木、しょーた、矢崎、ゴンゴン
の
6人は
カラオケBOXにいた
部屋の天井についた二つのスピーカーからは
明るく軽快な音楽が流れ
エコーの効いたマイクを片手に
しょーたが歌っている
恥ずかしがりながらも一生懸命歌っている
しょーた「歩こう♪ 歩こう♪ わたしは〜元気〜♪」
と
「となりのトトロ」のテーマソングを歌っている
他のみんなもノリノリで一緒に歌っている
しょーたが歌い終わると
みんな歓声をあげ拍手した
しょーたは恥ずかしそうに照れ笑いをしている
ゆうきは少し意外そうな顔でしょーたを見て言った
佐藤円香「しょーたって意外とかわいい声してんだな(笑)」
しょーたは相変わらず照れ笑いをしている
みのるは分厚い曲選び用の本をペラペラめくりながら
ノリノリの様子で言った
みのる「イイ感じだねー!、さ、次に歌うのは誰かな?!」
予約曲を見ると次の曲が入ってなかった
みのる「あれ?、誰も入れてないじゃん、誰か歌わないの?」
みのるはみんなの顔を見渡すと
テーブルの端に座って落ち着いた表情でウーロン茶を飲んでいるゴンゴンが目に入った
ゴンゴンはまだ一曲も歌っていなかった
みのるはB-DASH好きなのでゴンゴンに歌って欲しそうに言った
みのる「そーいえばゴンゴン、まだ一曲も歌ってないよね?」
ゆうきも口をはさんだ
佐藤円香「そうだよ、何かB-DASHの曲歌ってよ(笑)」
ゴンゴン「えー、恥ずかしいなー(笑)」
ゴンゴンは照れ笑いをしながら飲んでいたウーロン茶をテーブルに置いた
みのるは嬉しそうな顔でゴンゴンを見て言った
みのる「オレ、スーパーカーニバルが聴きたいな(笑)」
ゴンゴンは恥ずかしそうに、でも少し嬉しそうな表情で言った
ゴンゴン「スーパーカーニバルかー、入ってるかなー?(笑)」
みのる「さっき見たら入ってたよ?」
ゴンゴン「うそ、じゃあ、ちょっと歌ってみようかな(笑)」
そう言うとゴンゴンはおもむろに本のページをめくり
リモコンをとって数字を入力すると「ピッ」と転送した
少し経つと
軽快で楽しい音楽が部屋に鳴り響いた
ゴンゴンはマイクを持つと少し緊張しながら歌いだした
ゴンゴン「いろんなく〜に〜から来た人で〜♪」
鈴木「それハトマメだろ!!(笑)」
30分後
6人は楽しい一時を過ごし
カラオケを出ると
駅に向かってワイワイと楽しそうに歩きだした
色とりどりのネオンサインの光が夜の町を飾っている
みのるはふと思い出したように言った
みのる「あ、ゴンゴン、そーいえば小説ってまだ書いてんの?」
ゴンゴンは少し照れ笑いをした
ゴンゴン「うん、なんとか書き続けてるよ(笑)」
みのるは嬉しそうにゴンゴンの方を見た
みのる「どう?、面白いの書けるようになってきた?」
ゴンゴンは町のネオンサインを見ながら考えるように言った
ゴンゴン「うん、でも、ちょっと一気にキャラクターを出し過ぎて
誰が誰だかわかりにくいかなーと思って(笑)
ちょっとこう1人1人をクローズアップして書いていったらいいのかな
とは思ったんだけど、とりあえず試行錯誤しながら書いてるよ(笑)」
と言ったその顔には少し希望の光が見えているようだった
みのるはゴンゴンの肩に手をポンとのせて言った
みのる「今度オレもキャラクターとして出してよ(笑)」
ゴンゴン「うん(笑)(もう出してるけど、、)」
しばらくすると全員は駅の改札口に来た
みんなはチャリンコで来たのだが
鈴木だけはとなり町に住んでるので電車で帰るのだ
ホームに電車が来ると「プシューッ」という音でドアが開き
鈴木が乗りこむと
みんなは笑顔で手を振った
鈴木はアントニオ猪木の真似をして
片手を上げながら
「いーち!」
「にーい!」
「さーん!」
と叫び
電車が走り出すと同時に
ダー!!
と
拳を天高く突き上げ
他の乗客に変な目で見られながら嬉しそうに去っていった
電車が走り出すと
みのるはみんなの方を向いて楽しそうに言った
みんな「いやー今日も遊んだなー!」
その時
矢崎が何かを思い出したようにつぶやいた
矢崎「あれ?、でも、鈴木って今日チャリンコで来てなかったっけ?」
と
次の瞬間
ホームを過ぎ去ろうとする電車の窓から
ダー!!
という雄叫びとともに
ガラスを突き破り
鈴木が飛び出した
ハリウッド映画顔負けのアクションで
両手を顔の前で×印に組んで
頭からガラスを突き破って飛び出した鈴木は
ホームで3回でんぐりがえしをすると
勢いよく走ってみんなの方に戻ってきた
鈴木「はあっ、、はあっ、、あぶねー、オレチャリンコ忘れてたよ(笑)」
みのるとゆうきは完全に爆笑している
ふと横を見ると
「おい!、君ちょっと!」と駅員さんが血相を変えて走ってきた
みのる「やべ!、逃げろ!」
とっさに全員その場から逃げ出し
少し離れた公園までいくと
ブランコなどにノリながら
さっきの鈴木のアクションについて
あーだこーだと笑いの絶えない職場のようにお喋りした
しばらくして会話が一段落すると
全員それぞれのチャリンコで家に帰っていった
みのると矢崎は家の方角が一緒なので
2人でチャリンコをこいで
鈴木の話でウケながら帰っていた
途中で矢崎が思い立ったように言った
矢崎「あ、あのさ、ちょっと相談があるんだけど聞いてもらってもいいかな?」
みのるはビックリした顔で矢崎を見た
みのる「相談!?、なんだなんだ?、めずらしいなーおい!(笑)
矢崎がオレに相談にのってくれ、なんて(笑)」
矢崎はチャリンコをこぎながら少し恥ずかしそうにみのるを見て言った
矢崎「いや、みのるって普段はオチャラケてるけど、意外にしっかりした所あるじゃん」
みのるはそれを聞くと
普段は見せない照れ笑いを浮かべた
みのる「や、やめてくれよ、照れるじゃねーかよ(笑)」
次の瞬間、みのるは電信柱に激突した
ガシャンッ!
みのる「いてっ!!」
激しくコケた
矢崎はとっさに自転車をおりると心配そうにみのるの方へかけよった
矢崎「だ、大丈夫?」
みのるは転んだ体勢のまま
駆け寄ってきた矢崎に最高の笑顔を見せて言った
みのる「だ、大丈夫ですたい!!」
しかし
矢崎「鼻血でてるじゃん!!」
みのるは少し涙目になっていた(笑)
その後
2人は近くの公園によった
ひと気はなく公園としてはまあまあ広い方だった
時たま横の通りをチャリンコが通り過ぎていく
みのるは水飲み場で顔を洗うと
矢崎と一緒にベンチに座った
夜空には雲のすき間に少し星が見えている
みのる「で、相談ってのは一体何かな?」
みのるは普段あまり人に相談される事がないので少し嬉しそうだった
矢崎「あ、あのさー、みのるって好きな人とかいる?」
みのる「な、なんだよ急に!(笑)」
みのるはどんな相談が来るかと少し緊張していたが
恋愛系の話だったので
普段、恋愛とは無縁のみのるは喜びの笑みを隠しながら言った
みのる「うーん、好きな人かー、まあ、強いて言えば、、、いねーかな(笑)」
矢崎は少し笑った後
一瞬沈黙してから
覚悟を決めたように言った
矢崎「今から言う事、誰にも言わないでよ」
みのる「うん、言わない言わない(笑)」
みのるは興味深々で矢崎に耳を傾けている
矢崎は夜空を見ながら言った
矢崎「オレ、実は、高木理沙の事が好きなんだ、、、」
みのるはビックリして立ち上がった
みのる「えー!!!」
大きな声が公園に響き渡った
矢崎「、、、、内緒だよ?」
みのる「おお、わかってるよ、、、にしても、、まさか矢崎に好きな人がいたとは、、(笑)」
矢崎はみのるの驚きように少し笑いながら言った
矢崎「なんで(笑)、オレだって恋ぐらいするよ(笑)」
みのるはそれでも驚きを隠せない様子で言った
みのる「いや、でも、矢崎っていえば
学校内の女子が勝手にファンクラブつくるほどモテモテ街道まっしぐらなのに
普段はまったく女子と喋りもしないから
女嫌いなんじゃないか?って噂までたってるのに、、」
矢崎は苦笑しながら首を横にふった
矢崎「いやいや、全然そんなんじゃないって(笑)」
みのるは不思議そうに言った
みのる「でもさ、だったら告白しちゃえばいいじゃん」
矢崎「え!?」
矢崎は目を真ん丸くして固まった
みのる「だーいじょうぶだって!(笑)」
みのるは矢崎の背中をバシバシ叩きながら言った
みのる「矢崎なら性格もいいしさ!
その上そんだけカッコ良けりゃ普通は嫌がる女なんていねーって(笑)」
矢崎は困った顔で言った
矢崎「そんな事ないって、みのる大袈裟だよ(笑)」
みのるは粋な笑顔を見せると
ひじで矢崎をつっついた
みのる「っかー!!、ニクいね!!、この色男が!(笑)」
矢崎ははにかみ笑いを見せた後
少し真面目な顔になって言った
矢崎「と、ところでさ、高木さんって付き合ってる人とかいるのかな?」
みのるは腕を組むと
しかめっ面で首をかしげた
みのる「うーん、どうなんだろうなー?
でも、そういう話は聞かね−からなー、多分いないんじゃねーかな?」
その瞬間、矢崎は目を輝かせた
矢崎「いないのかな?、じゃあ、す、好きな人とかもいないのかな?」
みのる「うーん、そこまではわかんねーなー」
みのるはスッと矢崎の方を向いた
みのる「よし、じゃあ、明日オレが聞いといてやろうか?」
矢崎はあわてて両手でみのるの肩をつかんだ
矢崎「だ、ダメだって!、もし、それでオレが好きなのバレちゃったら、、、」
みのる「いいじゃねーか、だって好きなんだろ?」
矢崎「好きだけど、、、もしフラれたら?って考えると、、とてもじゃないけど無理だよ、、、」
矢崎はソワソワしていた
みのる「大丈夫だって!(笑)、誰にもバレないようにうまくセッティングしてやるからさ」
矢崎「で、、でも、心の準備が、、、」
矢崎はドキドキしている
みのるは矢崎の肩をポンと叩いた
みのる「まあ、とにかくオレにまかせとけって」
矢崎はみのるを見た
みのるは珍しく頼りになりそうな男の顔をしていた
矢崎は心の中でみのるに相談してよかったと思った
そして
矢崎は少しでも一歩前に踏み出そうと決めた
しばらく話して
夜もふけてきた頃
2人はそろそろ帰る事にした
矢崎はみのるに握手を求めると言った
矢崎「今日は本当にありがとう」
みのる「いいって事よ!」
みのるはガシッと矢崎の手を握った
みのる「じゃあ、またな!」
そして
みのると矢崎はチャリンコで反対方向に帰っていった
ガシャンッ!!
「いてっ!!」
矢崎が振り返ると
みのるはまた電柱にぶつかってコケていた
つづく(笑)
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