リセット
夜
夜空には
無数の小さな星や
大きな星が輝いている
湿った空気がみのるとゆうきの肌を撫でている
ゆっくりとした傾斜の坂に
水滴まじりの芝生が生えそろっている
薄い霧が左から右にゆっくりと流れている
小さな古墳のような山の形をした
芝生の山
その頂上には
一件の家が建っている
ログハウスだ
山小屋のような丸太でできた壁に
窓からは暖炉の明かりのような
オレンジ色の光が外にもれている
みのるが体勢を低くして
ログハウスを見ながら言った
みのる「行くか?」
ゆうき「ああ」
そして
二人は体勢を低くしたまま
ゆっくりと坂を登っていった
入り口のドアの前まで来ると
中から何やら楽しそうな物音がする
どうやらパーティーをやっているようだ
楽しそうな笑い声
レッドホットチキンの香ばしい匂い
軽快な音楽の鳴り響く音
みのるとゆうきは
顔を合わせてうなずくと
いち、にの、さん
で
一気にドアを蹴やぶった
ドガーン!!
みのる「動くなぁ!!」
ゆうき「そこまでだ!!」
みのるとゆうきは
家の中でパーティーをしていた若い男女に向けて
警察手帳のように
サイフを見せながら
叫んだ
パーティーをしていた若い男女は
突然の出来事に驚いて
あんぐりと口を開けたまま
びっくりした表情でみのる達を見た
みのるとゆうきは
堂々と歩いて
中へ入って行った
すると
若い男女の中のリーダーらしき男が
みのる達の前に立ちはだかった
リーダー「お、おい、、なんだよ?」
みのるとゆうきは
顔を合わせた
みのる「ん、、、なんだろうな?」
ゆうき「なんだよ?」
みんな不思議そうな顔で
みのる達を見ている
ゆうきが怒ったような顔でみのるに言った
ゆうき「おい、オレに聞くなよ!おまえが言い出したんだろ?!」
ログハウスの中にいた若者達は
いっせいにみのるを見た
みのるは頭をかきながら言った
みのる「い、いや、なんか楽しそうだなと思って(笑)」
若者達のリーダーはあきれたような顔で
二人を見た
他の若者達も
パーティーに突然知らない人が割り込んできたので
意味がわからず
ぼーぜんと立ち尽くしている
そして
10分後
パーティーをやっていた若者達は
お酒を飲んで酔っぱらっていたので
とくに悪気のないみのるたちを見て
まあいいか
一緒にパーティーしようぜ!!
と
仲良くなり
みのるとゆうきは
楽しい夜を過ごした
(笑)
そして
次の日
みのる、ゆうき、鈴木
矢崎、しょーた
理沙、まどか
の
7名は
リサイクルじいさんの家にいた
とくに用事は無かったのだが
久しぶりに
みんなでリサイクルじいさんの家でも遊びに行こう
という事になり
晴れた2月の陽気の中
みんなは座敷の部屋で楽しく団らんしていた
リサイクルじいさんの部屋の棚にならんでいる
いろんな瓶のような薬を眺めていたみのるが言った
みのる「なあ、じいさん」
リサイクルじいさん「なんじゃい?」
リサイクルじいさんは笑顔でみのるを見た
みのるは目を細めて
棚に並んでいる小びんを指差した
みのる「あの小びんなんて書いてある?」
みんなもみのるの言う小びんに目をやった
矢崎が不思議そうな顔で言った
矢崎「失恋特効薬?」
ゆうきが意味がわからなそうに言った
ゆうき「しつれんとっこうやく?」
みのる「なんだそれ?」
理沙とまどかも不思議そうに小びんを見た
しょーたがリサイクルじいさんに聞いた
しょーた「失恋特効薬って事は、、失恋した人が飲む薬なんですか?」
リサイクルじいさんは笑いながら言った
リサイクルじいさん「ああ、あれの事かの?
ありゃね、ちょうど先週じゃったかな
わしの親友の娘が学校で告白してフラれたって泣きながら
家に来たんじゃよ
で、その恋心っちゅうのかな?
それを忘れたいって言うもんでな
そりゃあ青春の想い出として胸にとっておきなされ
って言ったんじゃが
どうしても聞かなくての
仕方なく作った薬なんじゃ」
理沙が不思議そうな顔で
その小びんを見ながら言った
理沙「へー、で、その子は飲んだんですか?」
リサイクルじいさんは頭をかきながら言った
リサイクルじいさん「ん、まあ、そうじゃな、、」
しょーたが興味津々で聞いた
しょーた「どうなりましたか?」
リサイクルじいさんは笑いながら言った
リサイクルじいさん「ん、まあ、なんと言うか
急に元気になってな
新しい恋を見つけるぞー!!
なんて言いながら帰っていったわい(笑)」
みのるは不思議そうに
その小びんを手にとって見ている
中には透明の液体が入っている
まどかがリサイクルじいさんを見て言った
まどか「ねえねえ、おじいさん、それ飲むとどうなっちゃうの?」
リサイクルじいさん「いや、飲むというわけじゃないんじゃがの
まあ、あれだな
その、なんというか
その人の中にある恋心だけが
スパっと
ゼロになって
リセットされるんじゃよ」
まどかが目をまるくした
まどか「えーじゃあ例えばアツアツのカップルが飲んだらどうなるの?
別れちゃうって事?」
リサイクルじいさんは頭をかきながら
小びんを見つめて言った
リサイクルじいさん「いや、まあ、そうなると言えば
そうなると思うんじゃが
まあ、分かりやすく言えば
お互いの恋愛感情だけがゼロに戻るって事なんじゃよ」
矢崎が口をはさんだ
矢崎「え、じゃあ、また相性のいい二人だったら
お互いに惹きあって付き合う事になるんですか?」
リサイクルじいさん「ん、まあ、きっかけがあれば
その可能性は高いじゃろうな」
矢崎「へー、、」
と
その時
みのるが手をすべらせて
小びんを落っことした
すかさずリサイクルじいさんが叫んだ
リサイクルじいさん「イカン!!それはっ!!」
カシャーンッ!!
小びんが割れて
中の液体が
床に広がった
と
同時に
その液体は
シュッー!!
という音と共に
ものすごい勢いで蒸発し
部屋は煙りでいっぱいになった
全員「げほっごほっ!!」
ゆうき「うわ!!けむい!!」
みのる「だ、誰かドアあけてくれ!!」
リサイクルじいさんが手で顔をおおいながら
慌ててドアをあけた
しばらくして
煙りが外に出て行くと
みんなは少し平静さを取り戻し
座敷に座った
みのるがしかめっ面で言った
みのる「なんだ今の煙りは!?」
その時
矢崎が目をまるくして言った
矢崎「じ、じいさん!!もしかして、、
今の薬って、、、」
リサイクルじいさんはバツの悪そうな顔で言った
リサイクルじいさん「そうなんじゃ、、
実はあれは飲むものじゃなくて
匂いをかぐと効果があらわれる物なんじゃ」
まどかがびっくりして叫んだ
まどか「ええー!!?」
しょーたもびっくりして言った
しょーた「という事は!?」
理沙もびっくりして自分の気持ちを確かめた
理沙、矢崎、しょーた、まどか
次の瞬間
この4人が同時に声をあげた
「あぁっ!!」
そう
この部屋にいた人物の中で
恋愛感情を持っていたのが
この4人だった
矢崎は理沙に
理沙はしょーたに
しょーたも理沙に
まどかは潜在意識の中でゆうきに
しかし
この4人は自分の心境の変化に気がついた
なぜなら
その薬は
少し匂いをかいだだけで
充分に効果を発揮するものだった
それを
すさまじい量を吸い込んでしまったのだ
リサイクルじいさんが困った顔で言った
リサイクルじいさん「す、すまんのう、、
もし、誰かに恋しておったなら、、その、、」
そして
リサイクルじいさんは薬の使用法と
今、みんながいかに大量に吸い込んでしまったかを説明した
まどかが飛び上がって言った
まどか「ま、まさか、このまま一生誰とも恋しないで
一生独身なんて事はないよね!?」
リサイクルじいさんは慌てて言った
リサイクルじいさん「そ、それはありえん!!
が、、しかし、、」
まどか「しかし?」
リサイクルじいさん「もしかしたら、、あるいは、、」
まどかがリサイクルじいさんの肩をはげしく揺らした
まどか「あるいは、、ってどういう事!!?」
リサイクルじいさんはまどかに激しく揺さぶられながら言った
リサイクルじいさん「い、いやいや!!一生独身とは言っとらん!!
ただ、しばらくの間は恋愛感情がまったく消えてしまうかもしれんのじゃ」
まどかがあせって言った
まどか「し、しばらくっていつまで!?」
リサイクルじいさん「そ、そんなに長くはか、かからんと思うが、、」
まどかに激しく揺さぶられながら喋るリサイクルじいさんを見て
みのるとゆうきは爆笑していた
が
はっ
と
みのるの動きが止まった
みのる「あ、あれ?、、そういえば流奈ちゃん、、」
そう
みのるもしっかりと煙りを吸い込んでしまったので
流奈に対する想いが
ニュートラル
な
状態になっていたのだった
こうして
みんなの中にあった
それぞれの恋愛感情は
ゼロに戻り
リセットされたのだった
さてさて
この先どうなるのか?
これでイチから
恋愛小説が書けるぜ
(笑)
とぅっほっほ!!
つづく(笑)
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