三日目


太田高校文化祭

三日目

時刻は夕方を過ぎ

そろそろ後夜祭が行われる時間となっていた

学校の校庭と校舎の間の

体育館の横のスペースに

しょーた&矢崎

理沙&まどか

4人が座っていた

秋のささやかな風が

髪を揺らし

夕方から夜にかわる空の青いグラデーションが

世界を包み込んでいる

しょーた「終わっちゃったね、文化祭」

理沙が笑顔で言った

理沙「まだ後夜祭があるよ」

まどかが空を見て言った

まどか「あたし後夜祭の出し物でロミオとジュリエットやんなきゃいけないんだよね(笑)」

矢崎が驚いた顔で言った

矢崎「え?まどかさんが出るの?」

まどか「うん(笑)」

理沙が笑いながら言った

理沙「ジュリエットやるんだもんね(笑)」

しょーたも驚いた顔で言った

しょーた「え?あの体育館でやる演劇部の?」

まどかは困った顔で言った

まどか「あたし演劇部じゃないのに無理矢理さそわれて憶えたから

セリフとかちゃんと言えるか心配なんだよね(笑)」

矢崎が嬉しそうな顔で言った

矢崎「大丈夫だよ、まどかさんなら出てるだけでみんな喜ぶよ(笑)」

理沙がからかうように言った

理沙「それで誘われたんじゃないの?(笑)」

しょーたもはにかみながら言った

しょーた「まどかさん校内ですごい人気だもんね(笑)」

まどか「やめてよ(笑)」

すると

校庭の方から

男の生徒が二人歩いてきた

男1「それにしても文化祭で憧れのまどかちゃんの写真が売ってるとはな(笑)」

男2「オレなんかさっき売り切れる前にガンガン買っちゃったから

今月のバイト代全部使っちゃったよ(笑)」

男1「でも、幸せなんだろ?」

男2「まあな(笑)」

まどかはそれを見て

ハッと

何かを思い出したように立ち上がった

まどか「ごめん、ちょっと見てくる!!」

まどかは走って校庭にかけてった

しょーたが笑いながら言った

しょーた「まどかさんも大変みたいだね(笑)」

理沙が何かを思い出したように言った

理沙「あ、そういえば今日は矢崎君の写真も売ってたみたいだよ?」

矢崎は笑いながら言った

矢崎「うん、オレもまどかさんみたいに止めに入ったんだけどさ

あいつら絶対やめないからさ(笑)

根気負けしちゃったよ(笑)」

しょーたが少し笑った

すると

左の方から

しょーたのクラスの女子が走ってきた

女子「しょーたくーん!!

ちょっと星版の片付けでしまう場所がわかんなくなっちゃったんだけど」

しょーたはパッと立ち上がると

矢崎と理沙の方を見て言った

しょーた「あ、ごめん、ちょっと行ってくるね!」

そして

しょーたはクラスの女子と走っていった

あたりは夜になり

体育館のドアからほのかに明かりがもれ

後夜祭の準備をする生徒達がチラチラと歩いている

矢崎は内心

ドキドキ

していた

なぜなら矢崎は理沙に恋しているからである

そして

二人きりのシチュエーション

理沙も

ほのかにトキメキを味わっていた

なぜなら

矢崎が自分に恋しているのを知ってるからである

そして

二人きりのシチュエーション

理沙にとって

しょーたが好き

と言えども

矢崎だってどっこいイイ男だ

外見だけでなく

内面も優しくいい男だった

友達としても充分好感をもてる感じだった

なので

理沙はちょっとほのかな青春気分を味わっていた

二人は少し

何を話していいかわからなくなっていた

矢崎「、、、、、」

理沙「、、、、、」

二人は景色を眺めながら

何か話さなければと考えた

矢崎「秋になってきたね」

矢崎が先に切り出した

理沙は足を軽くパタパタさせながら

風にざわめく木々を見つめて言った

理沙「そうだね、葉っぱの色も変わってきたよね」

ささやかな風が

ザザーッと夜の木々をなびかせた

矢崎も木々を見上げて

さわやかな顔で言った

矢崎「そろそろマフラーが似合う季節になってきたね(笑)」

理沙は嬉しそうに少し笑って言った

理沙「そうだね(笑)」

矢崎がふと理沙の方を見て言った

矢崎「理沙さんはマフラーとかする?」

そう言ったものの

理沙の横顔を見て

う、、かわいい、、

胸キュンしてしまった矢崎は

思わずパッと前を向いた

理沙は後夜祭の準備をする生徒達を見ながら言った

理沙「うん、たまにするよ、矢崎君は?」

矢崎ははにかみながら言った

矢崎「オレ、マフラーすると首の所がチクチクする感じがして

ダメなんだよね(笑)」

理沙はおかしそうに笑って言った

理沙「そうなんだ?(笑)でも、矢崎君マフラー似合いそうだけどね?」

矢崎「そうかな?(笑)」

矢崎はちょっと『マフラー似合いそう』という言葉に

はじめて理沙に褒められたような

ちょっと遠回しにカッコイイと言われたような

快感に陥った

そして

顔を赤くした

理沙がそんな矢崎を見て言った

理沙「矢崎君、顔が赤くなってる(笑)」

矢崎は照れながら言った

矢崎「いや、ちょっと褒められちゃったから(笑)」

二人の間を

秋の風が吹き抜け

理沙と矢崎の髪をゆらした

理沙は嬉しそうに笑顔で矢崎を見た

普段は男らしく

女子にも人気者で

それでいて硬派な矢崎だが

いがいと照れ屋でシャイな所があった

理沙はそんな矢崎を見て

なんとなく好感を強めていた


場所は体育館

たくさんの生徒達が集まり

後夜祭の出し物

ロミオとジュリエットを見に来ていた

演劇が始まり

まどかが登場すると

客席から歓声が沸き起こった

矢崎はステージを見ながら言った

矢崎「まどかさんって本当にすごい人気だよね(笑)」

理沙「うん(笑)」

理沙は嬉しそうに瞳を輝かせながら

ステージの演劇を見ていた

矢崎「そういえば、みのる達ってどうしてんだろ?」

その頃

みのる達はステージわきにいて

ロミオとジュリエット乗っ取り作戦を企てていた

演劇部の部長の女子生徒が歩いてきた

部長「ちょっとみのる君たちは演劇部じゃないでしょ?」

ゆうきが言った

ゆうき「なんだよ、まどかちゃんだって演劇部じゃないのに

なんで主役なんだよ?」

部長「と、とにかく見るなら客席から見てよね?」

みのるがつぶやいた

みのる「鈴木、、」

すると

横の暗闇からぬっと鈴木が現れた

鈴木「部長さん、オレ達は演劇を盛り上げようとしてるんだ」

そう言うと

鈴木はすごいスピードで連続でばくてんしながら

ステージわきから

ステージに飛び出した

客席からは

「なんだアレは?!」

ざわざわ

歓声が巻き起こった

そして

鈴木はばくてんをしながら

反対側のステージわきに消えていった

客席は思わぬエンターテイメントアクションに

歓声をあげた

客「おおおぉぉおおお!!!」

ぱちぱちぱちぱち!!!

拍手が巻き起こった

ヒソヒソ声が聞こえた

客「でも、今のなんだったんだ?」

客「ストーリーと関係ないよね?」

みのるたちの所に鈴木が戻ってきた

ステージでは出演者が気を取り戻して演技をし始めた

女子の部長が

すごい顔で怒っている

部長はステージに声がもれないように

小さな声でみのる達に怒鳴りつけた

部長『ちょっと本当に演劇の邪魔だから客席におりてよ!!』

次の瞬間

鈴木が部長の首筋にチョップを食らわせた

ドゴッ!!

部長「あう!!」

部長は

ガクッ

気絶した

しばらくして

ジュリエット役をやっているまどかの元に

ロミオ役の男性が着替えて戻ってきた

よく見ると

みのる

だった

まどかはびっくりして

小さい声でいった

まどか『ちょっあんた何やってんのよ!!?』

みのるは気にせず

超うれしそうに言った

みのる「おおー!!ジュリエット!!

君はなぜジュリエットなんだ!?」

まどかは突然の出来事に動揺しながらも

なんとか演技をした

まどか「ロ、ロミオ!!

あなたはなぜロミオなの?!」

すると

みのるが自信満々に言った

みのる「いーや、オレはみのるだ!!」

客席から

ざわざわと声が聞こえてきた

客「みのる?!」

客「あんな場面あったっけ?」

客「おい、あれ2組のみのるじゃねーか?」

すると

ステージわきから

ゆうきの声が響いた

ゆうき「ちょっとまったぁ!!!」

ゆうきは走ってステージに飛び出した

ゆうき「オレが本物のロミオだ!!」

みのるが叫んだ

みのる「てめー!!オレがさきに出たんだぞ!?」

ゆうき「うるせー!!オレだってロミオやりてーんだよ!!」

まどかは『あちゃー』と顔を手でおおった

しかし

それが意外と演技っぽく見え

客は興奮した

客「ジュリエット、、どっちを選ぶのかな?」

すると

横から鈴木が連続でばくてんをしながら現れた

みのる「おい!鈴木いま演技中だぞ!!」

ゆうき「オレが本当のロミオだ!!」

鈴木は

みのるとゆうきの近くで

ホウッ!!

かん高い声をあげ

ほわちゃぁ!!

ブルースリーの動きで

みのるとゆうきに回し蹴りを食らわせた

バシッ!!

ドガッ!!

みのる&ゆうき「うわぁ!!」

二人は

すごいスピードで客席に吹っ飛んだ

客席では

客「うわぁ!!」

客「あぶなっ!!」

逆に盛り上がった

そして

鈴木はそのまま

ホウッ!!

かん高い声をあげて

自分も客席に飛び込んだ

客「あぶなっ!!!」

客「うわ!!また飛んできた!!」

ドガンッ!!

客「きゃー!!」

まどかは気力をなくし

その場にひざまづいた

その瞬間

ステージわきから

ロミオの格好をした矢崎が飛び出した

客席から今度は女子の歓声がわきあがった

客「きゃー!!」

客「矢崎くーん!!」

部長が最後の手段で矢崎にロミオの衣装を着せ

無理矢理ステージに押し出したのだった

矢崎「ジュ、ジュリエット!!

君は、な、なんでジュリエットなんだ!?」

客はすごい騒ぎとなった

客「きゃー!!」

客「矢崎君かっこいいーーー!!!」

客「まどかちゃーん!!!」

客「エルオーブイイー!!まっどっかっ!!!」

客「うおぉぉぉぉお!!!」


こうして

ハチャメチャな後夜祭が

ハチャメチャに盛り上がった

とさ

(笑)


つづく(笑)




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