箱根の車窓から


晴れた陽気の中

場所は神奈川県の箱根

車窓から

みのる達はさわやかな山道を歩いていた

風に揺れる木々がザワザワと

秋に変わる季節の色合いを

木漏れ日に写し出している

太陽から降り注ぐ光をさえぎる木々のすき間から

ほのかにもれる光を浴びながら

みのる達はワイワイと楽しそうに

山道を登って行く


みのるが振り返って言った

みのる「いやーこう天気がいいと気持ちいいなー!」

しょーたも嬉しそうに言った

しょーた「うん、風も気持ちいいね」

理沙があわせて言った

理沙「うん、気温がちょうどいいよね、なんか暖かくて♪」

まどかが思い出したように言った

まどか「それにしてもあの不良達があんた達の友達だったとはねー(笑)」

ゆうきがイキイキと言った

ゆうき「いやー井手とは小学校ぶりだったからなー!」

鈴木「佐藤のやつも久しぶりのわりにゃあ変型してなかったな」

矢崎が顔のアザをさすりながら言った

矢崎「おまえらはいいよなーオレらは大変だったんだぜ?(笑)」

まどかが口をそろえて言った

まどか「そうだよ!あたしなんか2発も殴られたんだからね!

乙女を殴るなんて最低よ!」

みのるが頭をかきながら言った

みのる「わりーわりー!今度ちゃんと言って土下座さすからよ!!」

まどか「頼むよ本当に!!」

しょーたが少し笑った


そうこうしているうちに

山の上になかなか立派な建物が現れた

矢崎が建物を指差して言った

矢崎「あれだ!」

ゆうきが眩しそうな目で言った

ゆうき「おお!なかなか綺麗じゃんか!」

まどかが理沙の方を見て言った

まどか「なんか楽しくなってきたね!」

理沙「うん♪」

理沙は女神のような笑顔を見せた


7人がロビーで受付をしていると

後ろから女の子3人組の旅行客が来て

となりの受付でチェックインをしている

わいわい喋っているみのる達を見て

一人の女の子が目を丸くしている

その子の名は

にいな

ごんごんるーむのBBSにちょくちょく書き込みをしている

おなごだった

説明しよう

にいなはBBSでこう書いた


ごんごんノベル楽しく読んでます!

私はしょーた君が好きだから

自分が理沙になったつもりで読んでます(笑)

そして

ある時

BBSにゴンゴンが書き込みをした

じゃあ

ごんごんノベルににいなってキャラをだして

しょーたに恋する役で登場させてみようか(笑)

しかし

それはあくまでインターネットで連載している小説の中での話

にいなは今、目の前に実際にノベルに出てくる登場人物らしき人達が

わいわいと話しているのを見て

唖然としているのだ

そんな、、、

事が、、、

あるの?

どういう事?、、、

なかば頭が混乱して

真っ白になっていた


そして

みのる達とにいな達は

それぞれにチェックインし

夜になった


みのる達は部屋でプロレスごっこをしたり

トランプをしたり

温泉に入ったり

おいしい料理を食べて

わいわいと箱根旅行を楽しんでいた

夜もいい時間になってきたころ

しょーたが言った

しょーた「僕ちょっと喉かわいてきちゃった、、、

自動販売機ってどこかにあったかな?」

すると

理沙がポジティブな笑顔で言った

理沙「あ、たしかね、1階の入り口でて裏みたいな所にあったよ

私も一緒に行こうか?」

しょーたは慌てて言った

しょーた「ありがとう!大丈夫だよ、じゃあちょっと行ってくるね!」

まどか「いってらっしゃーい!」


場所は箱根の大きな旅館の外

旅館の裏には大きな山があり

夜の引き込まれるような闇の中から

涼し気な風が木々をザワつかせる

鈴虫の泣き声が秋の夜の風情をかもし出している

心地よいそよ風に吹かれながら

自販機でジュースを買うと

ふと

しょーたの横にも

たまたまジュースを買いに来た

浴衣を着たかわいいおなごがいた

ガチャンッ

ジュースが自販機から出てくると

そのおなごはチラっとしょーたを見た

しょーたもチラっとおなごを見て

二人は一瞬まなざしを交わした

その相手のおなごとは

にいな

その人だった


しょーたは瞬間的に感じた

かわいい、、、

(笑)

それは理屈ではなく

ある種の一目惚れのような感覚に近かった

そして

にいなもこれまたしょーたと同じように

あ、、、

瞬間的に胸のトキメキが反応していた

にいなにはすぐに自分の目の前にいる人物が誰であるかわかった

しょーた君だ、、

にいなは考えるより先にそう感じた

実際

昼のチェックインの時に

にいなはとなりでワイワイと話している7名を見て

あの人が矢崎君か

あ、あの人がみのる君か

などと

それぞれの名前と顔を見事に一致させていた

そして

それはゴンゴンノベルを読んでいたにいなにとって

決して予想に反するものではなく

むしろ予想を上回るような好感度を与えた


しょーたは少し

となりでジュースを買った女の子を気にしながら

部屋に戻ろうとした

その時

かわいい声が聞こえた

にいな「あ、あの、、しょーた君ですか?」

しょーたは少し驚いたように振り返った

そこには外人のような日本人のような顔をした

かわいい女の子が浴衣でジュースを持って立っていた

その姿を見て

また

しょーたの胸に

キュン

というトキメキらしき感覚が走った

にいなは言った

にいな「あの、、ちょっとだけお話してもらってもいいですか?」

しょーたは不思議そうな

それでいて嬉し恥ずかしそうな顔で言った

しょーた「あ、いいですよ、、」


そして

二人は裏山のふもとの川の横にある

石の段に腰かけた

涼しい秋の風と

虫達の風情のある鳴き声が

ドラマチックな雰囲気をつくり出している

川のせせらぎが夜の闇に混じって

不思議な高揚感を生み出していた


にいなはジュースを一口飲んで言った

にいな「あの、、ちょっと信じられない話しかもしれないんですけど、、」

しょーたは息をのんだ

そして

にいなは思いきって全ての事情を説明した

最初

しょーたは信じられなそうな様子だったが

にいなの真剣なまなざしと

話しの内容の真実性から

これは事実である

理解した

そして

しばらく話すうちに二人は打ち解け

しだいに笑いも生まれるようになってきた

にいなが嬉しそうにしょーたを見て言った

にいな「でも、私、理沙ちゃんになったつもりで読んでたから

こうして実際に自分がしょーた君と二人で喋ってるのって

なんかすごい不思議な感じがする」

しょーたは照れながら言った

しょーた「そ、そう?(笑)」

にいなは優しく微笑んだ

にいな「うん☆」

しょーたは少し心配そうな顔で言った

しょーた「で、でもさ、小説で読んだのと実際に会ったので

こう、、イメージが違ってたとか、、

そういう事はない?、、」

にいなは無邪気に笑って言った

にいな「そんな事ぜんぜんないよ(笑)

むしろ逆かな

実際に会って喋ってみたら

小説で読んだよりもっとファンになっちゃった(笑)」

しょーたは嬉しそうに照れ笑いをした

しょーた「そ、そうなんだ? じゃあ、よかった(笑)

ちょっと心配しちゃったよ(笑)」

にいなはしょーたのそんな所が好きだった

そして言った

にいな「でもさ、私が小説で理沙ちゃんになったつもりで読んで

しょーた君のファンになるなら問題ないけど

こうやって二人で話しちゃったりすると

理沙ちゃんやしょーた君にとっては

恋の邪魔をする存在になっちゃったりしないかな?」

少し心配そうな顔でしょーたを見るにいなを見て

 またしょーたは

か、、かわ、、いい

胸キュンしてしまった

そして

すかさず言った

しょーた「そんな事ないよ!

僕だってこうやってお話できて楽しいし

理沙さんだって今頃部屋でみのる君たちと楽しく遊んでると思うよ」

にいなはそれを聞いて

ほっと一安心した

そこに

浴衣を着た理沙が

キィ

っとドアをあけて出てきた

理沙「あれ?」

理沙は少し驚いたような顔で

しょーたとにいなを見た

しょーたはあわてて立ち上がって言った

しょーた「あ、あの、、中学校の頃の同級生のにいなちゃん

さっきたまたま会ってさ

久しぶりだねーってちょっと話してたんだ(笑)」

理沙「そうなんだ?(笑)」

そう言った理沙の笑顔には

ある種の悲しみのような表情が隠れていた

にいなはそれを見逃さなかった

理沙は少し緊張したようすで言った

理沙「私もちょっと喉かわいちゃって(笑)」

しかし

真実は違った

ジュースを買いに行ったままなかなか帰って来ないしょーたの様子からして

きっと外で一人で秋の山の雰囲気に浸りながら

星でも見てるのかな?

そう思った理沙は

自分も外へ出たら

しょーたと二人きりで星を見ながら喋れるかもしれない

思い

ジュースの自販機へおりてきたのだった

そして

しょーたとにいなを見て

直感的なお似合いのカップルのようなオーラを感じ取った

帰ってこない時間の長さや

二人から発する雰囲気

そして

しょーたの慌てっぷりからしても

それは伺えた

理沙の顔こそ笑顔であるが

その瞳の奥には切ない乙女の恋心が浮かんでいた


理沙は少し気まずそうにジュースを買うと

理沙「じゃ、じゃあ、部屋で遊んでるね」

と言うと

ササッとその場から立ち去った

しかし

その後ろ姿は切ない哀愁を帯びていた

にいなは理沙に少しおじぎをすると

しょーたに言った

にいな「私やっぱりちょっと長く話し過ぎちゃったかな?、、」

そう言うにいなの瞳にも

恋する乙女の切ない模様が浮かんでいた

しょーたは慌てて言った

しょーた「そ、そんな事ないよ!」

その瞬間

旅館の上の方から叫び声が響きわたった

声「でたぁーーーーーー!!!!」

しょーたとにいなは

なんだろう?

上を見上げた

すると

さかさまになった鈴木が

スパイダーマンのかっこうで二人の目の前に現れた

そして

スパイダーマンの映画のワンシーンのように

逆さの状態で

顔のマスクを半分はずして

しょーたとキスをしようとした

しょーた「ちょ、、ちょっと!!、、鈴木君!!」

鈴木「お、わりーわりーつい血迷っちまったぜ」

にいなは瞬時に『鈴木くんだぁ!!』と思った

そして

言った

にいな「あ、あの、、上で何かあったんですか?」

すると鈴木はにいなを見て言った

鈴木「ん?新人か、、時給は650円から始まるけど覚悟はできてるな?」

にいな「え?」

しょーたが上を見て言った

しょーた「ねぇ、上でさっき誰か叫んでたよね?」

鈴木はマスクを元に戻して言った

鈴木「ああ、なんかゆうきの奴が幽霊がでたって叫んでたぜ」

そう言うと

鈴木はまさにスパイダーマンのような動きで

建物の壁を這って屋上の方へ登っていった

しょーたが不思議そうな顔で言った

しょーた「ゆうれい。。?」


いやはや

ついにBBSからキャラクターが登場してしまった

ゴンゴンノベル

いったいどうなるのか?

にいな

(笑)


つづく(笑)




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